利益の最大化を狙うピラミッティングとは?種類やメリット・デメリットを解説
FXでは、1つのポジションで取引する以外にも複数のポジションで戦略的にトレードする方法があります。
その方法は、ピラミッティングやナンピンと言われている手法です。
今回は、複数のポジションで大きな利益を狙うピラミッティングについて取り上げます。
ピラミッティングは、同じ通貨ペアのポジションが積み上がっていく形がピラミッドに似ていることから名づけられました。
有名な投資家では、ジェシー・リバモアもピラミッティングを活用していました。
ピラミッティングとは?
ピラミッティングとは、最初に保有したポジションの含み益が増えていくにつれて徐々にポジションを追加する手法です。つまり、ポジションの買い増しや売り増しを繰り返して利益の最大化を狙います。そして、ピラミッティングは、トレンド相場でトレンドに乗る形でポジションを増やしていくのが基本となります。
この方法は、トレンド相場に乗って予想通りに相場が動けば段階的にポジションを増やしていくので大きな利益を得られますが、相場の方向性を見誤ると損失も大きくなるので注意も必要です。
ピラミッティングの種類
ピラミッディングは、主に3種類の方法があります。
- スケールダウンピラミッティング(順ピラミッティング)
- 逆ピラミッティング
- イコールポジションピラミッティング(長方形ピラミッティング)
それでは、それぞれの方法の特徴を説明します。
スケールダウンピラミッティング(順ピラミッティング)
スケールダウンピラミッティングは、追加でエントリーするロットを減らしながら、全体のポジション量を増やしていく手法です。
例えば、下記のようなケースで後から買い増すごとにどロットを減らしていきます。
- 最初に、1ロットで買い注文
- 予想通りに上昇したので、0.5ロット追加で買い注文
- さらに上昇したので、0.3ロット追加で買い注文
このようにして、スケールダウンピラミッティングは、買い増すごとにどロットを減らしていきます。
スケールダウンピラミッティングは、後から追加で持ったポジションほどロットが少ないので、反転したときに発生する損失も抑えられます。
そのため、3つのピラミッディングの中で、最も反転による損失リスクが抑えられというメリットがあります。
逆ピラミッディング
逆ピラミッディングは、最初は小ロットでエントリーして、追加注文するたびにロットを大きくしていく手法です。
例えば、下記のようなケースで後から買い増すごとにどロットを増やしていきます。
- 最初に、0.3ロットで買い注文
- 予想通りに上昇したので、0.5ロット追加で買い注文
- さらに上昇したので、1ロット追加で買い注文
このようにして、逆ピラミッディングは、最初のエントリーのロットを小さくすることで、価格が逆行した場合の損失を抑えられます。
しかし、逆ピラミッディングは、価格が逆行した場合の損失を抑えられていい方法のように見えますが問題点もあります。
それは、最初のエントリーよりも大きいロットでエントリーした後に、価格が反転した場合です。
この場合は、反転後の損切りが遅れれば、一気に含み損が増えるリスクがあるので注意が必要です。
そのため、スケールダウンピラミッディングよりもリスクが高い手法と言えます。
イコールポジションピラミッティング(長方形ピラミッティング)
イコールポジションピラミッティングは、追加で増やしていくロットを最初にエントリー際のロットと同じにする方法です。
例えば、下記のようなケースで後から買い増すごとにど同じロットを増やしていきます。
- 最初に、0.6ロットで買い注文
- 予想通りに上昇したので、0.6ロット追加で買い注文
- さらに上昇したので、0.6ロット追加で買い注文
このようにして、イコールポジションピラミッティングは、最初のエントリーのロットと同じロットを買い増していきます。
この手法は、逆ピラミッディングよりも反転した際の損失リスクを抑えられます。
また、スケールダウンピラミッティングと比べると、リスクが高い分利益額を増やしやすくなります。
ピラミッティングを使うメリット・デメリット
ピラミッティングを使うメリット
ここでは、ピラミッティングを使う主なメリットを4つ列挙します。
- 利益の最大化
- リスクを抑えられる
- 含み益を担保に戦略的に新規ポジションを持てる
- 相場の値動きに合わせやすい
利益の最大化
ピラミッディングは、トレンド相場で使う手法で長く続くトレンドに乗れれば、一挙に利益を増やせる可能性があります。
それは、1回だけエントリーするよりもポジション量が増え、利益を最大化できるからです。
短期間で爆発的に資金を増やした世界的にも有名なトレーダーの多くもピラミッティングを活用しています。
リスクを抑えられる
1回のみ注文をした場合は、含み益の状態でも決済タイミングを誤れば損失になる可能性があります。
しかし、ピラミッディングの場合は、反転した場合は最初のポジションのロットを抑えているので損失額を抑える効果もあります。
含み益を担保に戦略的に新規ポジションを持てる
ピラミッディングは、保有しているポジションの含み益の状態で戦略的に新規のポジションを保有することもできるので、メンタル的な負担も少なく、かつ証拠金維持率の面でも減らしすぎないという効果があります。
相場の値動きに合わせやすい
ピラミッティングは、最初に保有するポジションを抑えて徐々に保有するポジションを増やしていく手法なので自分が思った通りの相場の値動きなるのかを確認してから新規ポジションを検討しやすい面があります。
例えば、相場が自分の予想通りに動いた場合はポジションを買い増し、予想通りに動かなかった場合は損切りをするといったことです。
ピラミッティングを使うデメリット
ピラミッディングは、利益の最大化を狙える手法です。
しかし、ポジション量が増えるため、使い方を誤れば大きな損失につながる可能性もあります。そのため、ピラミッディングのデメリットを把握する必要があります。
ここでは、ピラミッティングを使う主なデメリットを4つ列挙します。
- 大きな損失のリスクがある
- レンジ相場との相性が悪い
- 資金管理が難しい
- メンタル的な負担が大きい
大きな損失のリスクがある
ピラミッディングは、トレンド相場でポジションを追加していく手法です。
しかし、トレンドは絶えず継続するわけではなく、トレンド転換をする場合もあります。その場合は、決済の判断を誤ると利益を得るどころか大きな損失につながる可能性もあります。
そのため、ピラミッティング使用時には、あらかじめエントリーや決済に関するルールを決めておくことが重要です。
レンジ相場との相性が悪い
ピラミッディングは、トレンド相場に有効な手法です。
FXでは、トレンド相場が約30%、レンジ相場が70%と言われています。もし、環境認識を誤ってレンジ相場でピラミッティングを使用すると、自分の予想とは異なって相場が逆行することが多くあります。その場合は、利益を得るどころか大きな損失につながる可能性もあります。
そのため、ピラミッディングを使用する場合は、環境認識が重要となります。
資金管理が難しい
ピラミッティングは、1つのポジションを保有する場合と異なり、複数のポジションを保有するので資金管理が難しい面があります。
ピラミッティングを使用する場合は、事前にエントリーや決済のタイミング、ロット管理について自分でルールを設定しておく必要があります。
メンタル的な負担が大きい
ピラミッティングは、トレンドが継続する限り自分のルールに従ってポジションを追加していく手法なので、ポジションの保有時間が長くなりがちでメンタル的な負担がが大きくなります。
また、ポジションが含み益の状態でトレンドが継続すると考えて追加でエントリーしたものの、相場が反転した場合は、利益の目減りや損失になるケースもありメンタル的な負担がが大きくなることもあります。
ピラミッティングの使用例
ピラミッティングは、利益の最大化を狙える手法ではあるものの、使い方を誤れば大きな損失につながる可能性もありますのであらかじめ自分でルールを設定しておきます。
その上で、ピラミッティングを使用する際の例を挙げます。
- トレンド相場を確認する
- トレンド方向へエントリーする
- 押し目・戻りでポジションを積みます
- トレンド転換まで積み増しを繰り返す
トレンド相場を確認する
ピラミッティングは、トレンド相場で活用できる手法ですので、長期足で環境認識をします。
例えば、下記のチャートは、日足のUSD/CADです。
USD/CADは、黄色の縦線以降のところは、直近のレンジ相場をブレイクしているのでダウ理論上の上昇トレンドになります。
さらに、1.3621のラス戻りもブレイクしてしているので買い目線の根拠が積みあがります。
1時間足では、下記のようになっています。
トレンド方向へエントリーする
上記の例では、日足の環境認識から上昇トレンドと判断しているので、買い目線で固定してトレンド方向にエントリーします。
下記は、15分足のチャートです。
最初のエントリーは、自分のルールに従ってエントリーします。
この事例では、直近のレンジ帯を抜けた後の押し目でエントリーしています。
決済は、ライン、インジケーター、トレールなどの自分のルールに従って行います。
この事例では、日足のラインを使用して1.385付近を目安にしています。
押し目・戻りでポジションを積みます
ピラミッティングを使用する場合は、押し目・戻りのタイミングでポジションを積み増すことが多いようです。
上記のUSD/CADの事例では、ラインを利用して押し目で2回目、3回目をエントリーしています。
トレンド転換まで積み増しを繰り返す
ピラミッティングは、ダウ理論を利用してトレンド転換シグナルが発生するまでは積み増しを繰り返すことが多いようです。この場合は、最後のポジションなどは損失になる場合もあります。
上記のUSD/CADの事例では、ダウ理論を利用してトレンド転換シグナルではなく、日足の環境認識から決済にラインを利用してピラミッティングをしています。
利益の最大化を狙うピラミッティングのまとめ
ピラミッティングは、最初に保有したポジションの含み益が増えていくにつれて徐々にポジションを追加する手法です。つまり、ポジションの買い増しや売り増しを繰り返して利益の最大化を狙います。
ピラミッティングは、トレンド相場でトレンドに乗る形でポジションを増やしていくの基本となります。この方法は、トレンド相場に乗って予想通りに相場が動けば段階的にポジションを増やしていくので大きな利益を得られますが、相場の方向性を見誤ると損失も大きくなるので注意も必要です。そのため、ピラミッティングは、上級者向けの手法と言えるかもしれません。
ピラミッディングは、主に3種類の方法があります。
- スケールダウンピラミッティング(順ピラミッティング)
- 逆ピラミティング
- イコールポジションピラミッティング(長方形ピラミッティング)
この中で、できるだけリスクを抑えた方法は、スケールダウンピラミッティング(順ピラミッティング)です。
ピラミッティングは、利益の最大化を狙える手法なので、手法のひとつとして取り入れたいところです。
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